Ironman Cairns 2015 – Race Day

いよいよレースデイ。通常よりも遅い7時45分スタートですが、スタート地点のパームコーブまでの移動のバスの時間もあり、普段のレースと同じ午前3時に起床。昨夜は夕食後早々にメラトニンを服用したので、たっぷり睡眠ですっきり目覚めました。朝食はおにぎり3個とバナナ。おにぎりと一緒に入っていた鳥のから揚げも時間があるので1つだけ食べました。腹もちがよさそうなので。仕上げに腹痛予防のための正露丸。スタートまでに時間があるので、バナナとベスパを持ってホテルを出ました。

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パームコーブに着いて、まずは補給食のセッティング。今回もいつもどおりカーボショッツを10本バイクボトルに入れてバイクにセット。さらにベスパを1本トップチューブのバッグに入れました。以前はバイク中に固形物をとってましたが、今はカーボショッツだけで済ませています。スタートまでは時間があるので、トランジッション近くでのんびり待機。朝のうちの雨も上がって、とてもいい天気になってきました。風も弱く、波は穏やか。70.3のスタート見てから自分たちもスタートエリアに移動してウォーミングアップを開始。体はよく動いてる感じでした。

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プロのスタートを見送った後に自分たちもスタート地点へ。今回はローリングスタートといって、5-6人ずつを5秒くらいごとにスタートさせる方式(計測はチップの通過から開始)だったので、とてもスムーズに泳ぎ始められました。バトルは皆無でした(たぶん、人との接触は一度もなかったです)。この方式、これからは主流になっていくのかな。とてもよかったと思います。波はなぜかスタート直前になって急に高くなってきて、そこそこどんぶらこ状態。去年よりはマシでしたが。

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スイムコースはかなり変な形(笑)。潮流は基本的に南から北に流れているので、前半の上陸まではとても楽(70.3はここで終わるので、すんごい楽勝スイムコースだと思います)。戻りのM型コースに入ると、かなりの潮流と波を感じて、最初のカーブのところでややコースアウト気味にふくらんでしまいました。でも、潮流が強くて復帰に結構難儀 これが二度目の頂点に向かうときも同じことをやらかしてしまい、あらら〜って感じ。ってことで、ロスも結構あったけど、58分ちょうどくらいでスイムアップ。バイクへ。今回のトランジッションは超縦長にバイクが並ぶ形状だったので、独特なAstutoホイールのカラーリングのホイールはすごく目立って有用でした。

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バイクはT1のパームコーブからポートダグラスまで北上してUターン、パームコーブの手前まで戻ってUターン、再度ポートダグラスまで北上してから一気にケアンズまで戻ってくるコースです。潮流と同じく、基本的にいつも南風です(沿道の植物は北に傾いています)。T1からメインロードのキャプテンクックハイウェイまではちょっときつい上りがありますが、それを過ぎるととても走りやすい道になります。脚の揃った選手と一緒になって、快調にペースを上げていきました。

コースの難所のレックスルックアウト(往復で4回通過)も無難にこなして下った27km地点でトラブルが発生しました。リアのギアを重い方にシフトしたときに、フロントのチェーンリングからチェーンが脱落してフレームとの間に噛み込みました。一度降りて直し、再度スタートしたのですが、すぐに同じように脱落して、今度はガッチリ噛み込んでしまって走行不能に。自分で直すべく、必死で引っ張りましたが、ビクともしません。手は血まみれになって、自転車のフレームは血染め状態。通りかかったマーシャルにメカニックを呼んでもらいましたが、待てど暮らせど現れません。どんどんバイクは通り過ぎていきます。かなり投げやりになって、ヘルメットを地面に叩きつけて泣き叫んでました。1時間近く経って、ようやくメカニックが来てくれて、10分程度あれこれやってなんとか回復…ほんと、来るのが遅いでしょ。

ともあれ直ったのですぐにリスタート。でも…1時間近くロスをして、優勝はもちろん、コナスロットにすら届かないことはほぼ明白な状態で、残る距離はバイクが150km以上で、さらにその後にフルマラソン。正直気絶しそうなくらい気が遠くなりました。完走目的で来ているわけではないし、なんのために俺はレースしてるんだ?とずっと自問自答しながら走りました。でも、諦めることはすぐできるけど、今の自分にできることはきっちりやっておこうと頑張ってバイクを走らせました。

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今回はAstutoの86mmのディープリムを使いましたが、これがおそろしくよく回るホイールなんですよね。空力性能はもちろんのこと、Astutoのセラミックベアリングの威力もあったと思うのですが、下りとかでは必死でこいでいる選手を脚を止めて抜き去ることができました。今回のバイクコースはローリングヒルが多いのですが、下りから上りに転じても長くスピードが維持されるので、坂によっては惰性でクリアしてしまえたりして、脚への負担を大幅に削減することができました。

すれ違うエージのトップグループをみて、「本来なら彼らと競ってるんだよな〜」と思うとほんとに精神的につらく、気持ちが萎えましたが、そういう気持ちは無理やり押し殺して頑張りました。日本ではネットで多くの人が応援してくれてるんだし、途中でやめることは避けないと…と。

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結局、残りの約153kmは誰にも抜かれることなく、完全に抜きっぱなしで終了。ある意味貴重な経験だったかもしれませんね(笑)。競り合う相手もいない状況での終盤の向かい風はとてもつらかったですが、パワータップのパワーデータを注視して、とにかく一定以上のパワーを維持するように心がけました。バイクラップは6時間02分。もちろん、ダントツに自己最低タイムですが、あれだけ止まってからよくここまで挽回できたなと思います。

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ランコースは市街地の3周回。正直、バイク終わったらホテル近くに戻るし、そこでやめよう、という気持ちも少なからずありました。少しゆっくりめにトランジッションをやって、気持ちを落ち着かせてからランスタート。最初は気持ちも入らず、ゆっくりジョグ。トイレにも寄ってかなり諦めムード。でも、基本的に調子がよいので、走り始めればキロ4分半を切るペースに自然に上がってしまいます。しかも、1周目の半ばには最終周回のキャメロン・ブラウンが追いついてきたので、稲城で一緒に泳いだときのことを話したりして並走。キャメロンも終盤でペースが上がらないのか、フィニッシュ地点まで僕が彼の前を引っ張るようなかたちで走りました。うん、かなり貴重な経験だ(笑)。

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そんなこんなで結局走り続けていたんですが、さすがに後半はだいぶつらくなってきました。トップ争いをしていれば踏ん張れるところで、どうしてもちょっと抜いてしまうところはあったかもしれません。でも、ここまできたら、最後までレースを投げてしまうような走りはしないで終わろうと必死で頑張りました。

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そして、最後は力を出し切るべくしっかりペースアップしてフィニッシュ。10時間35分(ランラップは3時間27分)。タイム的には最低だし、暗い中でのフィニッシュ初体験でしたが、なんというか、すごく清々しい気持ちでフィニッシュすることできました。レース序盤でのトラブルで一時は絶望してたのに、それを乗り越えて成し遂げた充実感に満ちていました。まさにトライアスロンの原点を見る思いです(笑)。タラレバを言い始めればキリがありませんが、今回のレースは今後の僕の競技生活に大きな影響を与えてくれると信じています。

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早速アイアンマンジャパン(洞爺湖)に申し込みました。時間はそれほどありません。1週間くらい休んだら、練習を再開して次に向かおうと思います!

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